幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「見えた……」


魔法だ。

魔法で隠されていた魔法だ。

召喚魔法の魔法陣と呪文が記されている。


「読み上げるな」


ホークがあたしの口を片手で塞いだ。

無意識に、声に出して呪文を読もうとしていたらしい。

まずい

また爆発を引き起こすところだった。


「この本が読めるならば、魔力は十分にある」

ホークはぶっきらぼうに言った。

「どうして上手く力を扱えないのだ?」


――集中力がないからじゃない?


あたしは、口を塞がれたままモゴモゴとしゃべった。

すると、ホークがブルッと身を震わせた。


「アレクサンドラ」


何?

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