幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
見習い織り師
1
「全く! イアンったら、何を考えているのかしら!」
先代伯爵婦人が苛立ったように言った。
手元にあるレース編みはグチャグチャに曲がっている。
「奥様、それをお貸し下さい」
あたしは、先代伯爵夫人からレース編みを取り上げた。
少し解けばなんとか救えそうだ。
「あなたの練習を見てあげなければいけないのに、あの女と出かけてばかり!」
先代伯爵夫人が言う『あの女』とは、レディ·クリスタルの事だ。
どうやら、先代伯爵夫人はレディ·クリスタルが嫌いみたい。
「王のご使者じゃ仕方ありません」
あたしは慎重に糸を解きながら言った。
「なんでも北の方でヒュドラが出たそうで、水に毒が混じってしまったとか。王は国中の地所を調べるおつもりだそうです」
先代伯爵夫人が『ふん!』と鼻を鳴らす。
「イアンの領地でヒュドラなんて出るわけがありません」
先代伯爵婦人が苛立ったように言った。
手元にあるレース編みはグチャグチャに曲がっている。
「奥様、それをお貸し下さい」
あたしは、先代伯爵夫人からレース編みを取り上げた。
少し解けばなんとか救えそうだ。
「あなたの練習を見てあげなければいけないのに、あの女と出かけてばかり!」
先代伯爵夫人が言う『あの女』とは、レディ·クリスタルの事だ。
どうやら、先代伯爵夫人はレディ·クリスタルが嫌いみたい。
「王のご使者じゃ仕方ありません」
あたしは慎重に糸を解きながら言った。
「なんでも北の方でヒュドラが出たそうで、水に毒が混じってしまったとか。王は国中の地所を調べるおつもりだそうです」
先代伯爵夫人が『ふん!』と鼻を鳴らす。
「イアンの領地でヒュドラなんて出るわけがありません」