幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「まあまあ、奥様」
メイド頭のミリーがお茶の用意をしながら笑う。
「サンディお嬢様におっしゃったところで、無理というものですよ」
「そうねぇ……あの煮え切らない息子が、さっさと決めてくれればいいのだけれど」
あたしは驚き、目をしばたいた。
あのホークに煮え切らないところなんてあったかな……?
「奥様は、望んでる方がいらっしゃるのですね?」
あたしが言うと、先代伯爵夫人はうなずいた。
「わたくし、というよりもイアンの方が望んでいるのよ」
ホークには好きな人がいるんだ!
「なら、どうして――?」
あたしは言いかけて口を閉じた。
馬鹿ね
あたしのせいに決まってるじゃない
あたしが一人前の魔導士になれないから……
メイド頭のミリーがお茶の用意をしながら笑う。
「サンディお嬢様におっしゃったところで、無理というものですよ」
「そうねぇ……あの煮え切らない息子が、さっさと決めてくれればいいのだけれど」
あたしは驚き、目をしばたいた。
あのホークに煮え切らないところなんてあったかな……?
「奥様は、望んでる方がいらっしゃるのですね?」
あたしが言うと、先代伯爵夫人はうなずいた。
「わたくし、というよりもイアンの方が望んでいるのよ」
ホークには好きな人がいるんだ!
「なら、どうして――?」
あたしは言いかけて口を閉じた。
馬鹿ね
あたしのせいに決まってるじゃない
あたしが一人前の魔導士になれないから……