幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「うん、知ってる。それでも、あたしは織物をしたい」
あたしがキッパリと言うと、おばば様の皺(しわ)くちゃの顔に笑みが浮かんだ。
「では今一度、学び方を見直してご覧なさいませ。並みの魔法を身につけてもなお、織り師になりたいとおっしゃるなら、このばばからも伯爵様にお願いしましょう」
「本当に? 綴れ織りを教えてくれる?」
「まずは麻の平織り」
そうだった
ああ、でも
「ホークは、あたしに失望するかな?」
「嬢様」
おばば様は首を横に振った。
「布を見なされ。赤の糸を選んだら、青の糸は捨て置かねばなりませぬ。何もかも手にすることは出来ぬのです」
あたしは、おばば様の指の先を見つめた。
あたしはどうしたい?
恩あるホークに背を向けても、織り師になりたい?
あたしがキッパリと言うと、おばば様の皺(しわ)くちゃの顔に笑みが浮かんだ。
「では今一度、学び方を見直してご覧なさいませ。並みの魔法を身につけてもなお、織り師になりたいとおっしゃるなら、このばばからも伯爵様にお願いしましょう」
「本当に? 綴れ織りを教えてくれる?」
「まずは麻の平織り」
そうだった
ああ、でも
「ホークは、あたしに失望するかな?」
「嬢様」
おばば様は首を横に振った。
「布を見なされ。赤の糸を選んだら、青の糸は捨て置かねばなりませぬ。何もかも手にすることは出来ぬのです」
あたしは、おばば様の指の先を見つめた。
あたしはどうしたい?
恩あるホークに背を向けても、織り師になりたい?