幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
織物はやりたい。

来る日も来る日も、他人のために織り続ける事になっても構わない。


だけど……


あたしは、ホークの顔を思い浮かべた。


真面目な顔

笑った顔

怒った顔


一緒に過ごして来たたくさんの日々


ホークは、あたしがどんなにドジでも、どんなにあたしに怒っていても、あたしを見捨てたりしなかった。

――今までは

だって、あたしはホークの言うことに逆らった事がないから。


「ダメだ、おばば様」

あたしは泣きそうな声で言った。

「ホークには言えないよ」


「では、お仕事は魔導士に、織物は趣味になされるがよろしい」


うー、それも嫌なんだよね……


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