幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「ホーク?」


あたしは濡れた顔のまま、ポカンと口を開けてホークを見上げた。


「顔を拭いたらどうだ?」


ホークに言われて、あたしは慌てて顔を拭いた。


「ひどい顔だな」


「そりゃ、どうも」


髪も、もつれたままだしね。


「何があった?」


「別に何も」


あたしはムスッとして答えると、三つ編みの髪を解いた。


「アレクサンドラ?」


一見、優しい口調だけど、あたしは騙されない。

こういう時のホークは、骨を見つけた犬よりも質が悪いのだ。


< 73 / 289 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop