幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「いつ帰って来たの?」


「昨夜遅くだ」


「王都はどうだった?」


「別に何も」

ホークはあたしの言葉を突き返すように言った。

「いつもと変わらん」


冷たい言葉に胸がツキンと痛む。


「ああ、もう! 分かったよ!」

あたしは苛立って言った。

「ショーンは今日、ローズマリーにプロポーズするの。それだけ」


「今日?」

ホークは面食らったように言った。

「誰に聞いたのだ?」


「ショーン本人から」

あたしはポケットから櫛を取り出して、力いっぱい髪を梳かし始めた。

「あたしの気持ちに応えられなくてゴメンって」


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