幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
はっきりと聞こえた。



あたしの手元から――



布の中から、サラマンダーがあたしを見てる。


「どうなってんの?」


――よく言うよ。嬢ちゃんが召喚魔法をかけたんじゃないか


「あたし、そんな事してないよ」


――糸と一緒に魔法を織り込んだだろ? 『おいで』ってさ


確かに『おいで』とは言ったけど……


――まあ、いいってことよ


あたしの織る手は止まらない。

まるで何かに憑かれたようだ。


――次からは<扉>も織りな


「<扉>って何?」

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