幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ホークは、あたしの枕元に転がる空の薬瓶を取った。


「片付けて来る。欲しい物はあるか?」


「水。ううん、やっぱりいらない。吐きそうだから」


あたしは、部屋を出て行くホークの後ろ姿を見送って、安堵のため息をついた。


もう一度眠ろう。


次に目を開けたら、頭痛もよくなっているだろう。

ホークもいなくなっているだろう。

本当なら、あたしにかまけている暇なんてないはずだもの。


またしてもホークのお荷物になっている自分が嫌になる。


あたしって、いつになったら一人前になれるんだろう?


ああ、でも

今度こそはできるかもしれない。

あれは絶対に夢じゃない。

起き上がれるようになったら、もう一度サラマンダーのタペストリーを織ってみよう。

異界への扉と共に。

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