幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
間違いなく、サラマンダーがそこにいた。


やった……生まれて始めてまともに召喚魔法が使えたんだ。


「ぃやったぁ!」


あたしは部屋の中を踊り回った。

ついこの間まで『魔導士なんてなりたくない』って言っていたのにも関わらず。


――やれやれ、先は長いんだぜ嬢ちゃん。いつかはドラゴンを召喚できるようにならなくっちゃな


う……


「ドラゴンってデカイんだよね?」

あたしは、恐る恐る聞いた。


――小さな納屋くらいあるな


「ひょっとして、召喚のエネルギーもデカイ?」


――半端ねえだろうな


ってことは、失敗した時の被害もデカイ訳で……


「やっぱ、あたしは織り師の方が向いてるかも」


――意気地なしな事、言ってんじゃねぇよ

ジャルグは呆れたように言った。

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