痛いくらいの好きを君に。

着替えも終わり、準備万端になった所で千尋を起こそうと行動に移す。



『千尋ー』



髪をくしゃくしゃ、っと触ってみた。

けど、起きない。



『早く起きないと置いてくよー』



頬っぺたをつねってみた。

けど、起きない。



『千尋ー、千尋ってばー………ぉわっ!?』



急に体が宙を浮く。

そして、そのままベッドにダイブ。



「…奈子、大胆ー」



私の腕をしっかりと握りしめ、ニヤッと笑う千尋。



『……………とりあえず、手を離そうか?』



こいつ、端からタヌキ寝入りしてたな。



「無理。…って言ったら?」

『無理って言わせないし』

「ふーん」

『なんで笑うのさ?』



悪戯に笑む千尋。

何か良からぬ事を考えているみたいだ。
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