痛いくらいの好きを君に。

「奈子」

『ちょっ…、千尋のバカ!どこ触ってるの………っ』

「どこって、…奈子の弱いところ」

『やっ……、千、…尋………。やめっ……』

「何?聞こえないけど?」

『やっ……、やめてー!こそばいからー!!』



千尋は私の弱点である脇腹を擽り続ける。



『もー!千尋、いい加減にしてよー!!』



思いの外響いた声に、千尋の動きが止まる。

そして、妙に色っぽい声で呟いた。



「やめてあげてもいいけど…。その代わり、キスしてよ」

『…………………うん』



そう頷くと、千尋は握っていた手を離した。



『………目、瞑ってて』

「なんでー?」

『いいから!』

「はいはい」



私が怒ると千尋は笑う。

普通に目なんか開けられてたら恥ずかしくて出来ないじゃん!

そこらへんは察してほしい…。
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