痛いくらいの好きを君に。
内緒の二人
――――今、私達は全力で走っている。
鳴り響くチャイムに焦りながら…。
「だから遅刻するって言っただろ!」
息を切らせながら、私の少し前を走る央志が怒鳴る。
ってか…。
『あたしのせいじゃないー!千尋が悪い!!』
「なんで?」
私の言葉に首を傾げる千尋。
そんなあっけらかんとした態度に少しイラつく。
『千尋が余計なことしなかったら、もっと余裕をもって学校に行けてた!』
「けどさ、最終は奈子から俺にキ…」
『――――っ!!!!』
千尋が喋り終わる前に、私は両手で千尋の口を塞ぐ。
『人前でそんな事言おうとしないで!』
私の言葉にコクリと頷く千尋。
だから、ゆっくり千尋の口から両手を離す。
「いや。っつーか、お前らが何をしてたか大体見当つくし…」
「そうそう…」
『………………』
央志と雪人の言葉に、ただ冷や汗を流す私。
確かに、この二人って変に勘がいい。
だから、隠し事なんかしても直ぐバレる。