痛いくらいの好きを君に。
「やっと昼休みー!」
滉也が伸びをしながら叫んだ。
それを聞いて急にお腹が鳴り始める。
『お腹すいたー』
不意に、財布を握りしめた琉太が後ろを振り向く。
「奈々子、今日パン?それとも弁当?」
『パン買い行くー』
「俺もパーン!」
「俺は弁当がある。お前ら早く買ってこいよ…」
そう言って、鞄の中を漁っていた玲。
けど、いくら経っても弁当を出すことのない玲に問いかける。
『玲……、君の鞄は四次元ポケットか何かなの?一体いつまで弁当探すきなの?』
私の言葉の後、玲はポツリと呟いた。
「家に忘れた…」
『………………』
うん、…かける言葉も見つからないよ。
「じゃあ、玲も買いに行こうぜ!」
「…………ああ」
不本意そうに返事をする玲。
そんな彼の腕を引く滉也。
私と琉太も席を立ち、売店へ行く準備を始める。
『二人はお弁当?』
「うん、文香はママの手作りお弁当ー♪」
「私もお弁当持ってきてるから」
『そーか、じゃあちょっと行ってくるから待ってて』
そう言って、私達は早足で売店に向かった。