痛いくらいの好きを君に。
モーニングキス
朝は嫌い。
日差しは眩しいし、小鳥の声は煩いし。
あと………。
「おい、奈子!起きろよ!!」
『………………………』
「奈子!奈々っ!奈々子ー!!」
『煩い…』
朝が嫌いな理由は3つ。
日差しが眩しい。
小鳥の声が煩い。
幼なじみが煩い。
「奈子、遅刻したいのかー」
そう言って、私の布団をボフボフ叩く幼なじみ。
『………千尋、あたし何回も言ってると思うけど、出窓から入ってこないで…』
「だって、こっちの方が近いじゃん?」
と、首を傾げる千尋。
『近くても、出窓から来られると迷惑なの…』
そう、すごくすごく迷惑なのだ。
なんでかって?
それは、出窓と私のベッドの位置が同じだから…。
つまり、出窓から来る千尋はいつも私のベッドの上に降り立つという事実。