痛いくらいの好きを君に。

周りの目が気になりながらも、何とか保健室にたどり着いた私達。

ドアをノックして保健室に入ると、保健の先生がお茶を飲んでいた。



「今日の当番は東城さんと相川くんだったの?」

『あっ、…はい』

「じゃあ、私は今から会議に行くから、昼休みの間よろしくね」

『あっ、…はい』

「まかせてよ、先生」



私と千尋の返事を聞いた後、先生は保健室を出ていった。

千尋と二人っきりになってしまった保健室。

家で二人の時は緊張しないのに、学校になるとなんでか緊張してしまう。



「奈子」



沈黙を破る千尋の声が保健室に響く。



『何?』



私は冷静に返事を返す。

と、不意に…。



――――――チュッ。



私の頬に柔らかい感触が伝わる。



『…………急に何?』



キスされた側の頬をさする私に、今度は反対の頬にキスを落とす千尋。



『ちょっ、と…』

「奈子、…」

『え、千尋?』



腰掛けていたソファーから視界は一転して天井へ…。

私は千尋に押し倒される形になった。
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