痛いくらいの好きを君に。
静まりかえる保健室。
得意そうに笑う千尋に何だか腹が立つ。
『………千尋』
「ん?」
『ん?じゃなくて……とりあえずどいて』
「嫌、…っつったら?」
クスッと笑いながら、千尋が私の髪をいじる。
普段の千尋とは違う少し大人な千尋。
顔つきも大人っぽくて、千尋じゃないみたいに見える瞬間。
この瞬間が嫌い。
私と千尋の違いを見せ付けられるようで…。
その違いが何か、私はわかってる。
恋愛に疎い私と経験豊富な千尋。
幼馴染みなのに、この差は何だろう…。