痛いくらいの好きを君に。

「奈々子は今日何時まで遊べんの?」



頬杖をついた状態で琉太が私に話し掛けてきた。



『うーん、6時半くらいまでかな―――?』



そう琉太に答えていた最中に、私のケータイが鳴る。



『ん?ごめん、ちょっと電話』

「出ていいぞ」

『うん、ありがと』



玲の言葉の直ぐ後にケータイの画面を見た。

見て直ぐにケータイを鞄にしまう。



「どうした?」

「電話じゃないのかよ?」

『えっ?……あ、うん…。また後でかけ直すからいいや』



明らかに態度がおかしかったのか、琉太と玲が食い入るように私を見てくる。



「家か?」

『…うーん』

「友達?」

『…ではないかな?』



私の曖昧な返しに対し、二人はどんどん追及してくる。



「じゃあ誰だよ?」

『…んー、誰かな?』

「煮え切らない答えを返すなよ」

『いやいや!…ってか、なんでそんなに聞いてくるわけ!?』



そう、いつもはこんなに詮索してこない二人なのに…。

今日はおかしいくらいに追及してくる。



『……ちなみに、お兄ちゃんだよ』



そう言って、私はこの場を切り抜けようとする、が…。



「………………ケータイ鳴ってるぞ」

『………………うん』

「………………俺達はいいから出ろよ」

『………………うん』



またもや鳴り響く着メロ。

とりあえずケータイを取りだし、二人に着信画面が見えないよう手で覆った。

ケータイを耳に付け、意を決してケータイの受話器ボタンを押す。
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