痛いくらいの好きを君に。
『いや、あの、そのー…』
「ってか、今まで何してたんだよ?」
『ファミレスでご飯食べてました』
「誰と?」
『…と、友達』
「ふーん…」
私を凝視する千尋。
急に千尋はベッドから立ち上がった。
徐々に私の方に近付いてくる千尋に、自然と足が…体が 後ずさる。
「なんで逃げんの?」
『え?』
腕を掴まれ閉まりきったドアに押し付けられる私。
『ちょっと、千尋…痛、い』
「ねえ、奈子…………キスしよ?」
こんなよくわからない状況で、キス?
アホか?アホなのか?
『やだ』
「…なんで?」
『…逆になんでこの状況でキスしなきゃなんないの?』
痛いし、千尋はちょっと怖いし。
誰でもいいから早く帰ってきてほしいな…。
「奈子、上向いて?」
『嫌』
「奈子」
『ちょっ!』
顎を掴まれ、無理矢理顔を上に向けられた。
『千尋さっきから強引過ぎだよ!?一体何なの!千尋といい、琉太といい、玲といい!!あたしが何かする度、どっか行く度にわざわざ報告しなきゃいけないわけ!?』
「琉太、玲……。って、確か小学が一緒の奴らだっけ?」
『そうだよ』
不意に千尋の顔に笑顔が戻る。
近すぎた体が離れ、私はホッと胸をなでた。
「俺の知らない奴と一緒にいるのかと思った」
『はは…』
なんか、千尋の沸点がわからない。