痛いくらいの好きを君に。
「ねぇ、奈子」
千尋の笑った顔に私は弱い。
「キス、しよ?」
私の目を真っ直ぐに見て、首を少し傾けキスをねだってくるこの姿にも弱い。
『……うん』
小さく呟くと、唇に触れるだけのキスをする千尋。
小学生の時は何とも思わなかった。
いや、まあ、そりゃ恥ずかしいは恥ずかしかったけど…。
もっと、別の感情……かな?
うーん、自分でもよくわからないや。
だから、考えることを放棄する。
そしたら、いつもの私に戻れるから。