痛いくらいの好きを君に。
ラブレター
次の日の朝、私は千尋より先に家をでた。
メールはちゃんと送ってるから、大丈夫。
私が急いで学校に行く理由は1つ。
今日は日直なんだよね。
早起きは苦手だけど、人通りの少ないこの時間は嫌いじゃない。
学校のグラウンドにはチラホラと朝練で出てきている生徒がいる。
校舎にはほとんど人の気配がない。
だって、今はまだ7時10分だもん。
『この人気の無さが落ち着くー』
なんて、独り言をぼやき自分の靴箱を開けた。
『……何これ?』
手に取った封筒をまじまじと見つめ裏と表を確認する。
表には何も書いてなかったけど、裏面には小さな文字で差出人の名前が書いてあった。
『3年6組、東野那緒(ヒガシノナオ)?』
って、誰?
見に覚えのない名前に頭を悩ます。
『あっ、もしかして……ラブレター?』
時々あるんだよね。
琉太、玲、滉也の誰かに渡してほしいっていう子。
三人ともすごいカッコいいとかじゃないけど、中々モテるんだよなー。
千尋といい、その三人といい、文香達といい、私の周りはモテ男モテ子ばっかりだ。
私のことは伏せておこう…。