痛いくらいの好きを君に。
「もうご飯いいの?」
『うん、千尋も待ってるし』
空になった食器だけを台所に持っていくと、食器を洗っていた央志がニヤっと笑う。
「ちゃんと食わねえから背が伸びないんじゃん?」
ポンポンと頭を叩いて来るもんだから、強めにその手を払いのけ、私も負けじと言い返す。
『央志も対して高くないよねー』
「喧嘩売ってんのか?」
『先に売ってきたのはどっちでしょう?』
食器を一緒に洗いながら言い合いをしている私達。
仲が良いのか、悪いのか…。
そんな際どい空気の中、雪人が呟く。
「二人とも、喧嘩してる場合じゃないと思うけど…」
そう言うと、雪人は壁に掛けられた時計を指す。