そして、今日も好きなんだ
少し顔を明るくした彼女は、次には少し暗くなった。
あぁ。
居場所が分からないのか。
「あいつなら、体育館裏だよ」
きっと今頃、落ち込んだあいつはあそこで膝を抱えて丸くなっているだろう。
あいつは落ち込むことがあると決まって、体育館裏だから。
「ありがとうっ!!」
二人きりの時間は
彼女のお礼の言葉によって終わってしまった。
彼女は教室を飛び出した。
それを送り出した僕は、
最後にきちんと笑えていただろうか…。