モラトリアムを抱きしめて
看護師にゆっくりと肩に手を置かれ、抱き締めるようにそっと母から離された。
そしてポケットから薄いピンク色をしたハンカチを取出し、私の手に握らせてくれる。
私が悲しくて泣いていると思っているのだろうか。悲しそうに私の涙を見ている。
私は悔しいのだ。
悔しくて、悔しくて、たまらない。
この女さえいなくなれば、死んだら、全てが終わると思っていた。
でも、全然終わってなんかない。
もっと嬉しくて、ホッとするはずだったのに。
何よりも喪失感がなくならない。
死んでもなお、この女の呪縛から解かれないなんて。
そしてポケットから薄いピンク色をしたハンカチを取出し、私の手に握らせてくれる。
私が悲しくて泣いていると思っているのだろうか。悲しそうに私の涙を見ている。
私は悔しいのだ。
悔しくて、悔しくて、たまらない。
この女さえいなくなれば、死んだら、全てが終わると思っていた。
でも、全然終わってなんかない。
もっと嬉しくて、ホッとするはずだったのに。
何よりも喪失感がなくならない。
死んでもなお、この女の呪縛から解かれないなんて。