心の中のあなた


「…ッ…もう嫌…ッ…。もう辛い…辛いよ…ッ。」


俺が怒鳴ったせいか、もっと泣きわめいた。


「…サヤ…」


ユウトがサヤの肩に触ろうとした瞬間、サヤが離れた。



「触らないで!!!!」


まるで、離してしまった風船のヒモが後もう少しのところで掴めたのに…指で弾かれ…掴めなかったように…


ユウトの顔が歪む。


「オイ!!テメェ、いい加減にしろよ!!ユウトは関係ねぇだろ!!!」



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