心の中のあなた


今日鞄に入れたはずの数学の教科書がなくなっていた。


「………おーい!」


すると、遠くから掠れた声が聞こえた。
声のするほうを見るとエイジが数学の教科書を、俺に見せつけていた。


「…何」

「……かーりーた」

「……は?」


数学の教科書の名前の欄に、よく見れば俺の名前が書いてある。


< 68 / 247 >

この作品をシェア

pagetop