KIRINの恋
もしかして松田さん知ってたの?

余裕たっぷりのその様子にまどかは愕然とした。


12時。

美奈とともに昼休憩に向かおうとしたまどかに声がかかった。

「城田さん。」

松田だった。

げっ!何で声かけんの!?

隣にいた美奈だけでなく、周りの女子社員もまどかの方を見た。

「休憩のとこ悪いけど、この書類やり直してくれる?」

「へ?」

「ここの部分少し変更になったから。」

「あ、はい。分かりました。」

何だ。仕事の話か。

ほっとしたような残念なような…。

松田は何事もなかったかのように自分の席に戻った。

「わあ。すごいですね~。松田さんって。もう社員の名前覚えてるんだ~」

美奈に指摘されドキッとしたが、まどかはさりげなく答えた。

「そうね。できる人は違うんじゃない。じゃあ私コレやってから行くから」

「は~い。じゃあお先に休憩行ってきますね」

美奈を先に行かし、まどかは自分のデスクに戻った。







< 17 / 35 >

この作品をシェア

pagetop