KIRINの恋
「嘘じゃないよ。」

今度は真剣な顔で見つめてきた。

気づくとまどかは、松田の腕に挟まれていた。

松田はまどかのデスクに両手をついて、椅子に腰かけるまどかを見つめた。

そしてその顔は徐々に近づいてきた。

え?何?

「ちょっちょっと」

逃げ場を失ったまどかは焦った。

何なのこの人!

「ここは会社ですよ!変なことしないでください!」

「変なことって?」

「こ、こういうことですよ!」

「別に普通に話してるだけだけど?」

「ふつうはこんな至近距離で話しません!私のことからかってるんですか?やめてくださいこういうの!」

「別にからかってないけど」

そう言いながら松田はまどかを解放した。

「図書館で声かけてきたり、食事に誘ったり。迷惑なんです」

「迷惑?」

「迷惑です」

「でも君だって嬉しそうについてきたじゃない」

「嬉しそうって…人を犬みたいに言わないでください」

「いや~犬みたいだったよ。城田さんほんとに分かりやすいし」

「分かりやすいってどういう意味です…!?」

「俺のこと好きでしょ?」

自信満々に松田は言った。

「なっ何言って…」







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