KIRINの恋
『好きだよ』
『ホントに…?』
『世界で一番お前が好きだよ。』
「太陽が輝く海の中、二人は熱く抱擁を交わしたのだった。か…」
まどかは熱い太陽が降り注ぐ中、ベンチに腰をおろし読書をしていた。
図書館の一角。
いつものお決まりの位置である。
木陰になってるが図書館の中と比べるとやはり暑い。
そのためか人通りがいつも少ないそこは、まどかのお気に入りの場所だった。
休日にここに来て恋愛小説を読み漁る。
そして主人公を自分に置き換えて妄想をする。
まどかの休日の過ごし方である。
「いいなぁ。こんな恋愛してみたい」
このままじゃ一生恋愛なんて無理だろうな。
「出会いってどこにあるんだろう…」
悩むまどかだが、
出会いとは思いがけない形で訪れるものである。