KIRINの恋
とある休日のことだった。

「何でまたいるんですか!?」

「なんでって、本借りに来たんだよ。」

いつものように図書館に来ていたまどかの前に現れたのは、松田だった。

「ここじゃなくて別のところに行けばいいじゃないですか!?」

「俺がどこに来ようと俺の勝手だろ?ここの図書館気にいったから」

「だからってここで本読まなくてもいいでしょ!」

松田が居座っていたのは、まどかのお気に入りの場所。

図書館の木陰にあるベンチだった。

松田とまどかが出会った場所である。

「ああ。俺のことは気にしなくていいよ。隣どうぞ」

松田はにこやかに言った。

「結構です。別のところ行きますから」

「そんなに警戒しないでよ。振られたからって恨んだりしてないから」

振ったって…

まどかはその言葉に動揺した。

何せ告白されたのも初めての経験だったのだ。

振るなんて行為まさか自分がするとは思ってもいなかった。
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