KIRINの恋
第2章
「まどかさーん。今日は食堂行きますぅ?一緒に行きましょうよぉ」
会社の昼休み。
声をかけてきたのは同僚の田所美奈である。
「いいよ。これ片付けるからちょっと待って。」
上司に頼まれた書類をさっさと片付けたまどかは、美奈とともに食堂へ向かった。
現在まどかは派遣社員としてこの会社で働いている。
「聞いてくださいよぉ。まどかさん。彼ったらまたドタキャンしたんですよぉ?信じられますぅ??」
ランチタイムは決まって美奈の彼氏の話を聞くようになっている。
美奈はまどかよりも年下でかなりの童顔である。
高校生と言っても通用するのではないかと思われるくらいだ。
にもかかわらず恋愛経験は、幼い顔つきからは想像もできないくらい進んでいる。
「付き合って1週間経つのに、まだHしてないんですよぉ?」
大声で語る美奈にまどかの方が焦った。
「ちょっと美奈ちゃん。声大きいから」
「だってぇ」
半べそになりながら美奈は言った。
「一週間ですよ?あり得ます??」
「えっ?さ、さあねぇ。彼には彼の事情があるでしょうしねえ」
恋愛経験ゼロのまどかにはそんな判断はできない。
「事情って例えば??」
「えーっと気分が乗らないとか…?」
私に聞くなそんなこと!
思わず突っ込みたくなった。
がそんなこと言うわけにはいかない。
「まどかさんの彼はそういうことあるんですか?」