KIRINの恋
え…?
「へえ~。初めて聞いた~。まどかさん知ってました?」
「い、いや。初めて聞いた」
まどかたち二人が知らなかったことに優越感を覚えたのか、小坂は得意げに話しだした。
「美奈ちゃんの彼氏きっとKIRINなんだよ。やめといたほうがいいと思うなあ」
「ど、どうして?別にキリンだからって何の問題もないでしょ!?」
思わずまどかは言った。
「え~?俺はいやっすよ?キリンな女。」
「それはあんただけでしょ!?」
「いやいや。だって俺らもう22ですよ?年下ならまだしも、同い年だったら、ちょっと重いですよ。」
「重い?!」
「なんか恋人ができなかったそれなりの理由があるのかなって思いますよね。」
あっけらかんと話す小坂に、まどかはうろたえた。
彼氏いない歴イコール年齢。
つまり私じゃないの!!
それにまどかは小坂達より年上の24歳である。
KIRIN。
そんな言葉があったなんて知らなかった。
じゃあ私はかなり重い女ってこと…?
あの人がこれを知ったら…
「キリンか~。だからHしてこないのかなあ?ねえまどかさん?」
マイペースに美奈は言った。
しかしそれに答える余裕はまどかにはなかった。