MIND SPIRAL
「お邪魔しました」
乃亞は少しむっとしながら玄関を出た。
「だはー。やっちまった」
「何をですか?」
「……」
乃亞はオスカルの顔を見て、脱力したかのようにその場に崩れ落ちた。
全てはコイツのせいだ。
コイツさえいなければ。
「なぁ。あたし、お前に協力はできない」
「な、何でですか。違う星の神がここにいたら死んでしまうんです!!」
「……違う人を捜せばいい」
乃亞は自転車を漕ぎ始めた。
後方にはオスカルが佇んでいる。
もう、何もかもが崩れてしまった。
友達にはあんな態度をして、オスカルを突き飛ばして。
本当はもっとパーティを楽しみたかった。本当は協力をしてあげたかった。
あたしは気持ちに嘘をついた。
馬鹿野郎。
それは、最低な人間のする事じゃまいか。
(か……噛んだっ)