MIND SPIRAL
 
教室に入ると、挨拶を交わす声や、雑談をする声で賑やかだった。
 
「うわぁ……姦しいですね」
 
「まぁ、ほぼ女子高みたいになっちゃってるからね」
  
乃亞は机に鞄を置いた。
 
そして、教室を見渡す。
琉佳の姿がない。
 
「乃亞、お久しぶりですわ!!」
突然背中を叩かれた。
「おう、久しぶり。なぁ、琉佳は何処にいるか知ってるか?」
「琉佳は今日休みですわよ」
「そ、そうなのか」
 
乃亞は昨日の事を思い出す。
昨日は、変な態度をとってしまった。
もしかしたら、それで……
 
「乃亞?琉佳はただの風邪ですわよ。乃亞は関係ありませんわ」
 
「え?……うん。そうだよな」
 
と言って乃亞は嘘の笑顔を作った。
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