MIND SPIRAL
「あ!!クラリスだ」
突然オスカルがとある人を指さして叫ぶようにして言った。
 
「え……??」
乃亞と潤は指さす方へ視線を向けた。
独りで本を読んでいる生徒が視界に入る。
 
 
「あ、あの人は妃興<ヒオキ>ちゃん。クラリスじゃないよ」
 
「妃興……?クラリスじゃないんですか?」
 
「あぁ。転校生なんだよ」
 
 
「……」
オスカルは妃興をじっと見つめていた。
 
「妃興ちゃんは他人との交流を好みませんからね。話してみたいですわ」
 
「はは。まぁ、無理だろう」
 
 
妃興は飽きずに本を眺めている。
 
「あれ?オスカルは」
オスカルが側にいない事に気付いた。
 
 
「あそこにいますわよ……」
潤が妃興の所を指さす。
オスカルがじっと妃興を見つめていた。
 
 
「そんなに怪しいのか……」
 
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