MIND SPIRAL
 
 
「「お早うございます」」
生徒達の声が重なり、朝の会が開かれる。
 
「乃亞……乃亞……」
 
テレパシーを通じて乃亞の心にずっしりとのしかかるオスカルの声。
 
心配でたまらない……。
 
 
 
朝の会は約五分程度で終わった。
乃亞は朝の会が終わると急いでオスカルの方へと駆け寄る。
 
 
「乃亞!!大丈夫ですの!?」
 
「潤!!大変だ、オスカルが……」
 
潤が乃亞の異変に気付き、走って来た。
二人はクラスメートに気付かれないよう、小声で喋る。
 
 
オスカルが倒れていたのはちょうど乃亞のロッカーの前だった。
 
「苦しい……」
 
「どうすればいいんだよ……」
「とりあえず、次は体育ですわ。教室に人がいなくなるまで待ちましょう」
 
「あぁ……」
 
 
乃亞は不安げな顔をしてオスカルを見つめている。
 
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