MIND SPIRAL
「怒らないで……下さい」
壁の向こうから、あの少年が出て来た。
 
 
「えぇっ。誰なのよ?」
「コイツ……あたしのストーカー!!」
 
部屋がしんとする。
 
「……冗談」
「えぇぇ……」
琉佳が苦笑いをする。
「どっから入った!?」
 
「玄関。僕ずっと一緒にいましたよ」
 
「キモイから。じゃなくて……え゙ぇ゙!?」
「何…ですか?」
「ずっと一緒って……」
 
 
あたしは一人で来たはず。
それに一緒に来たなら琉佳が気付いたはずだ。
 
 
「あんた……一体何物」
 
 
「ふ……不法侵入はいけませんのよ……」
 
潤が怯えながら言った。
 
 
「僕ですか……。僕は――……

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