青空
私は再び走った。
昨日行ったから、もしかしてあるのではないか、という希望を抱えて。
走って行くと1本の木が見えてきた。
丘を登りきると、少し先にある木の下に人影があった。
私は立ち止まる。
良かった、スニーカーを履いていて。
おかげで靴擦れせず、思い通りに走れた。
乱れた呼吸のままその人影に近づく。
その人は木にもたれて空を見上げていた。
私は誰かが分かった。
その人、つまり…
「奏…」
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