青空
奏だった。
私に気付いたのか、こっちを向いた。
「柚葉…」
そう言って彼は笑顔になった。
この場所で、君に似た笑顔…か。
私は奏の隣に立つ。
まだ呼吸は乱れている。
体力無いな…。
「どうした?息切らして」
「え…と、探し物を……」
すると奏はポケットに手を入れて何かを握りしめ、取り出した。
「その"探し物"ってさ…これ?」
奏はさっきポケットに入れた方の手を付きだし、開いた。
「え…」
そこには私が探していたリングがあった。