紙飛行機~Another Sky Forever
「……」


私は、声が出なかった。

だってまさか、この紙飛行機を見つけてくれていた人がいたなんて……。


「ある日、中庭に行ったら偶然紙飛行機が落ちてきてさ。それで、この紙飛行機を投げてる子を見つけたんだ」

「……」

「笑うとすっげー明るいのに、1人になるとすっげー寂しそうな顔しててさ。元気付けてあげたい、笑顔にしたい、そう思って投げたのが、あの紙飛行機だったんだ」

「……っ!!」


私が呆然としていると、宇宙は照れたように笑って話題を変えた。


「そういえばさ、この”あの海”ってなに?」

「えっ?あぁ、華月(カゲツ)海岸のことだよ!!私の思い出の海なの」

「思い出の海?」

「そう、10歳の頃に交通事故で死んだ両親と、行ったことがあるの」

「………」

黙り込んでしまった宇宙に、私は笑って言う。
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