【完】無愛想彼氏





蓮は、強く、後からギュッとあたしを抱きしめる。

その感覚は久しぶりで、カァッと体が熱くなっていく。


…あ、あれ?


耳元では、蓮の荒い息。

え…もしかして、走って…きたの??

…なんで??


「俺と岸本が一緒に帰るって聞いて、走ってきたの?」

「何考えてんだよ、お前」

「ったく、余裕じゃないの?」





「ふざけんな。余裕なんか、これっぽちもねぇんだ」





その言葉に、あたしは目を丸くした。




え…嘘…でしょ??

だ、だって…蓮は、いつも…よ、余裕…? あ、あれ…??


ポカーンとしてるあたしを見て、谷口はクスッと笑った。






< 101 / 329 >

この作品をシェア

pagetop