【完】無愛想彼氏
「その言葉…信じてもいいんだな」
「うんっ…」
「”嘘です”とか言うなよ」
「…しつこいよ、蓮」
「…桃」
蓮は深く、あたしにキスをした。
温かい…。
この温もりも、唇から感じる熱も、
好きでしょうがない。
「蓮、は…?」
「…」
蓮は右腕をあたしの右肩に置いて、あたしをそっと引き寄せた。
そして、そっと…耳元で囁く。
「好きだよ」
いつぶりだろうか、彼にちゃんと”好き”と言われたのは。
あたしは嬉しくて、思わず一筋の涙を流した。