【完】無愛想彼氏





あたしは小走りで下駄箱まで行く。

あれ…?


「雨…?」


天気予報じゃ言ってなかったのに。

しょうがない。

教室に置いてある折りたたみ傘使お。


あたしはゆっくりと教室に戻る。

教室のドアに手をかけようとした時だった。


「だかさ、ここをこうして…」

「ぁーギリギリじゃね?」

「でも、こうでもしないと…」

「んじゃ、入れとくか」


…蓮??


教室の中から、蓮と他の女の子の声。

あんまり蓮が女の子と話しているのを見た事がない。


「ねぇ、間違えてるー」

「ぁ、わり」

「あっはは! 飯田ウケる!」


胸の奥が、ズキンと痛む。







< 156 / 329 >

この作品をシェア

pagetop