【完】無愛想彼氏
あたしは小走りで下駄箱まで行く。
あれ…?
「雨…?」
天気予報じゃ言ってなかったのに。
しょうがない。
教室に置いてある折りたたみ傘使お。
あたしはゆっくりと教室に戻る。
教室のドアに手をかけようとした時だった。
「だかさ、ここをこうして…」
「ぁーギリギリじゃね?」
「でも、こうでもしないと…」
「んじゃ、入れとくか」
…蓮??
教室の中から、蓮と他の女の子の声。
あんまり蓮が女の子と話しているのを見た事がない。
「ねぇ、間違えてるー」
「ぁ、わり」
「あっはは! 飯田ウケる!」
胸の奥が、ズキンと痛む。