【完】無愛想彼氏
「なんだ、奈津子。お前ふられたんか」
「うっさい! いいから、中の事教えてよ!」
「はいはい。ぁ、初対面の人には出さないから」
そう言って、海条くんと奈津子ちゃんは家に入って行く。
「気をつけろよ」
「ぇ…?」
「海条って奴」
「…ん//」
心配してくれるの…嬉しいなぁ。
「蓮くん! 早く早く!」
「へーへー」
蓮はあたしの手を握って、中に引っ張っていく。
手…繋いでくれた。
奈津子ちゃんがいるから、繋げないと思っていた手。
温かい…。
「ここがトイレで、隣がお風呂。リビングに台所あるから。掃除はもうやっといた。
二階に寝室用意しといたから。ちゃんと四人分ね」
すごいしっかりしてるなぁ。
思わずポカーンとしていると、海条くんはあたしを見て、クスッと笑った。
かぁぁぁあ。
顔に熱が溜まる。