【完】無愛想彼氏
「じゃ、じゃあ、あたしは別荘に戻るね」
「は?」
「だって、頭クラクラするし…」
確かにその方がいいよな…。
「わかった。んじゃ、俺も戻る」
「ぇ…」
「えー!! 蓮くん、まだ海で遊ぼうよ!!」
「俺疲れたし。悪いけど、ナツは翼達と遊んでろ」
「もぅ…」
ナツは、ふんっと、そっぽを向いてしまった。
「桃嘉、行くぞ」
「ぁ、ぅ、うん…」
「歩けるか? なんなら、おんぶしてくけど」
「だ、大丈夫!」
「遠慮すんな」
「そ、じゃなくて…// こっち、がいい…//」
桃嘉は、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして横を向きながら、手を伸ばす。
そんな姿に、一瞬目を丸くしたけど、すぐに笑いがこみあがってきた。
「ククッ」
「///」
「…んじゃ、こっちな」
俺は差し出された手をそっと握った。