【完】無愛想彼氏
桃嘉と手を繋げば、別荘にはすぐに着いた。
ほんと、幸せな時間って短く感じる。
「確か寝室は二階の端っこって言ってたよな…」
「ぁ、こっち」
桃嘉が差した部屋のドアを開ければ、ちゃんと四人分布団が敷かれていた。
確か、谷口もいるんだよな…。
「桃嘉、風通しの良い奥の方で寝ろよ」
「ぁ、うん…っ//」
俺はタンスの中にある布団を一枚敷いた。
これでいいよな。
「れ、蓮…」
「ん?」
「あの…海に戻っていいよ…? こんなとこにいてもつまんないでしょ…?」
「…アホか、お前は。桃嘉がいない方がつまんない」
「///」
俺は、桃嘉の側に座った。