【完】無愛想彼氏
「ちょった、谷口!」
「どうした、じゃねぇんだよ!! お前が、狩野と一緒にいる間に、岸本は他の野郎に絡まれてたんだぞ!! 岸本がこんな格好で一人でいて、無事だと思ってんのか?!?! 守るのが、彼氏のお前の役目だろ!!
何他の女の面倒なんかみてんだよ!!!」
「…た、谷口! いいから!」
「岸本も、遠慮なんかすんなよ」
「で、でも…」
「お前等がそんなんじゃ、
諦めつかねぇだろ…っ!!」
「…」
谷口は、涙をこらえるように、パーカーをもって別荘に戻って行った。
ずっと…我慢、してたの??
あたしへのキモチを。
こんな…あたしに想いを寄せて…。
それなのに、あたしは…
前に進めてない。
「…っ」
「もも…」
「蓮、あたしも…別荘、戻るね…」
「ももっ」
「…少し、一人にさせて…?」
あたしはそう言って、別荘に戻った。