【完】無愛想彼氏
きっと、
今一人で怖くて仕方ないんだ。
だから…
飯田に振り向いて欲しくて、
あんなに必死だったのか。
「…大丈夫」
「ぇ…」
「お前の側にいてくれる奴は、
飯田以外にもたくさんいる」
「…」
「大丈夫」
慰めの言葉、
正しかったのかわからない。
だけど…
そっと、小さな声で、
「ありがとう」
そう…言われたんだ。
俺は、狩野の手をそっと握った。
その手は、
思ってたより
ずっと小さかった──