【完】無愛想彼氏
「桃嘉…?」
「?」
蓮は、顔を真っ赤にさせて、そっぽを向いた。
「??」
そんな蓮を見て、
翼くんと谷口は笑ってる。
あたしはわけがわからないまま、支度をした。
支度が終わると、ちょうど奈津子ちゃんも二階から降りてきて、
五人で別荘を出た。
「うわぁ…ほんとにお祭りやってるよ」
「まだ真っ昼間なのにな」
「すご…」
お祭りは、まだ昼なのに賑やかだった。
とりあえず、翼くんの家がやる屋台に行く事にした。
「ぁ、これじゃね?」
『海条』と、デカく書いてある。
…海条、かぁ…。
ほんと、懐かしいなぁ…。
「あら、翼! 早く手伝って!」
「へーへー」
「奈津子ちゃん! 久しぶりね〜」
「久しぶりです、おばさん!」
「…あら、あなたも」
翼くんのお母さんは、
あたしに優しく微笑んだ。