【完】無愛想彼氏




「桃嘉…?」

「?」

蓮は、顔を真っ赤にさせて、そっぽを向いた。

「??」

そんな蓮を見て、

翼くんと谷口は笑ってる。


あたしはわけがわからないまま、支度をした。

支度が終わると、ちょうど奈津子ちゃんも二階から降りてきて、

五人で別荘を出た。


「うわぁ…ほんとにお祭りやってるよ」

「まだ真っ昼間なのにな」

「すご…」


お祭りは、まだ昼なのに賑やかだった。

とりあえず、翼くんの家がやる屋台に行く事にした。


「ぁ、これじゃね?」


『海条』と、デカく書いてある。

…海条、かぁ…。


ほんと、懐かしいなぁ…。


「あら、翼! 早く手伝って!」

「へーへー」

「奈津子ちゃん! 久しぶりね〜」

「久しぶりです、おばさん!」

「…あら、あなたも」


翼くんのお母さんは、

あたしに優しく微笑んだ。






< 226 / 329 >

この作品をシェア

pagetop