【完】無愛想彼氏
少し頬を染めて、
あたしの歩幅に合わせて歩いてくれる。
バカだなぁ、蓮。
そんなんじゃ、バレバレだよ。
妬いてる蓮が可愛くて、あたしは思わずクスッと笑った。
「あたしが好きなのは、蓮だけだよっ!」
そう言って、蓮の手をギュッと握った。
今は、蓮と一緒なんだ。
蓮と、楽しまなきゃ。
「チョコバナナ食べたい!」
「あったらな」
そんな事を言いながらも、
周りを見て屋台を探してくれてる。
「あそこでいい?」
「うんっ!//」
蓮はチョコバナナを一本買ってくれた。
「お金…ほんとにいいの?」
「200円だろ? そんなケチくないよ、俺」
「ありがとっ//」
「ん」
「はい、蓮も一口どうぞ?」
「…んじゃ」
蓮は、チュッとあたしの唇に触れるだけのキスをした。
「ごちそうさま」
そう、耳元で囁いて、悪戯っぽく笑ってみせた。